図書室の記憶/ういち
 
、笑いながら回って、回しながら眠る。
 卵白の小瓶に満ちた香水を流しながら歌う少なすぎて並べられない彼女に言おう。
「薬指を噛むコードの絡まるオペラグラスと万華鏡に砂糖菓子を。」
 血はもう止まり、滴る音は響きを変えて糸を渡さないバジルを養うだろう。
 もう心配することも無い。毎年、その日は誰も眠らずに水芭蕉と、鈴の飾り輪、ハシバミの油で灯した抱き枕を抱いている。それが、流行っているそんなそぶりも無関心だった。

「さっきの人は、擦り付けた調子の悪いピーマンのスピードに前は気づいていたでしょう?」
 彼は、当て字が鳴り響く中ビニールとオレンジの匂いが象られて飛行機雲を取り込みながら僕
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