青春の頃〜ファウスト/Terry
 
日課のように遊びに来るものだから、自動販売機が置かれるようになった。
 そこは中学生が先取りしていたコートで、ワンオンワンやスリーオンスリーなり、それはもうはしゃいでプレーしていた。特に達夫はバスケットボールの教科書を実践していたので、達夫が加わるチームはほぼ勝利していた。ビジネスに例えると部下から尊敬される存在だったために、
「来年は東脇高校に入って達夫先輩の後輩になる」
 と、どちらも頼もしかった。
 夏休みが明けた頃から達夫と同じクラスメートの女子高生が偵察に来るようになった。下校道路を一角変えていることは分かったが、ストリートバスケに興味がなさそうに通るものだから学校でもぶっきらぼ
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