青春の頃〜ファウスト/Terry
らぼうとしていた。それもそのはずで、彼女が通るときは達夫は一切プレースタイルを見せなかった。
彼女はクラスの自己紹介でこう話していた。
「私の家の周りにはスバルとか東脇高校の近くにあるようなお店は
ありません。・・・」
達夫は優越感に浸りながら聞いていた。背は小柄なわりに低いバラード調の声をしていた。
七月に開催されたソフトボール大会で達夫が打席に立つと、彼女に応援されたが、誰の声かは識別できず、教室に戻ってから確認することができたが、達夫は左で打ったらよいものを右で打ち凡打で終わってしまったため、彼女はやるせない表情をしていた。
全ての授業が終わり、教室を出ると、彼女の友人か
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