【HHM2参加作品】「沈黙」を聞き、「いま」を読む ? 縞田みやぎさんの「春に寄せて」/N.K.
 
のは、なんと豊かな「沈黙」であるだろうか、ということである。
 「春に寄せて」に応えたい。これがここ数年の自分のリアリティである。実際、花を育て、いくつかが咲き、いくつかは咲かずに枯れた。祈ることをした。しかし、一体何を祈るべきなのだろうか?「花を育てて、」と「祈る」の間に引き込まれる自分がいる。そう考えながら、さらにエリオットの詩を追っていくと眼の覚めるような思いをさせられる箇所がある。

絡みつくこの根は何か、この石屑の中から
どんな枝が萌え出でるのか。人の子よ
君は知らない、予想できない。
(中略)
(来たまえこの赤い岩の陰に)

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