水の紀/千波 一也
 
また重なるのだろう
重なることに疑問はないだろう



水の車は、
水を失った日に、
風のつかいとなって、
回り、
直せる、
それが火だとて、
味方につけて、
回り、
直せる、



ひとの心を描くなら
遠浅が良い
欠落が
欠落として
渇かないから
水は
満ちていられる
満ちているふうにして
いられる



過ぎたことに、
もどってはならない、
もどっては、
いけない、
そんなこと叶わない、
すべてのひとに、
叶うことがあるならば、
言葉はいらない、
全くいらない、



まだまだともいえる
とっくにともいえる

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