痕の上に立つ人/葉leaf
ば新しい仕事が首尾よく見つかり職場で自分の功績が認められる感動、その心の流れの痕跡もまた詩を書く上でとても重要なものになるのだ。
詩を書く上で大事なのは、多種多様な痕跡を自らの大地に残すことと、さらにその痕跡をしっかり踏みしめることである。例えば若くて経験の浅い詩人はまだ人生の痕跡をそれほど多く持たない。また年老いて安逸に流れてしまった詩人は痕跡にしっかり足を降ろすことを忘れてしまっている。そうではなく、沢山経験を積むということ。これは喪失だけではなく獲得や心の忙しい流れ、何から何までである。そして、常に痕跡の上でしっかりと足を踏みしめていること。物事を単純化しすぎたり、注意深い洞察を忘れたり
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