北の亡者/Again 2014如月〜皐月/たま
 
きではない、というものだった。たしかにそれは言えているだろう。それらの感情を表現するための詩であって、それらのことばがなくても読み手に届かなければ、詩とは言えないかもしれない。
 しかし、わたしはその意見をどうしても受け入れることはできなかった。かわいい、というこのことばがなかったら「おしっこ」を書いたわたしに、意味が、なくなってしまうのだ。
 詩が詩であることを求める詩人の気持ちはよくわかる。けれど、ことばは語られるためにある。手垢にまみれた常套句は排除しても、心の根源を意味することばを排除すべきではない。わたしはそう思った。さらに、かわいい、にはそれ以外のことばでは到達することのできない、
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