北の亡者/Again 2014如月〜皐月/たま
、と安易に考えたわたしは、迷うことなくその同人誌のグループに入会した。
二十代に山登りを始めたのは、それまでのわたしの生き方を一八〇度変えてみたいという理由があったけれど、詩を書くということは、再び、一八〇度転換して、創作の世界に戻るということだった。ただ、そこはわたしが棲み慣れた絵の世界ではなく、ことばの世界だったから、右も左もわからない世界で一から出直すことになる。
その同人誌は年四回の発行で、発行するたびに合評会というものがあった。いつも十名近い同人が集まって、互いの作品の評価をする。正直に言うと、そこはけっして居心地のいい場所ではなかった。悪意はないとはいえ、ほとんどの作品がこ
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