啓典の記憶/2012
げ、
新しい数千年が、カノープの骨壺から生み落とされたのです。
啓典は更新されました。
疲れ果てた三人は監視塔の螺旋階段をゆっくりと降りて行きます。
螺旋階段を半分ほど降りた時、最上階でずしんと大きな音が響きました。
ギルグルです。ギルグルはパノプティコンがいなくなって所在無げな侍女達をぺろりと平らげました。
体の重くなったギルグルは全身を引きずってズルズルと螺旋階段に向かいます。
「匂うぞ、徴の匂いだ。待て、寄越せ」
ギルグルに気付いたソルアスタはソウルフラワーからもらった石板を使うことを決意しました。
とうとうギルグルが寸手の所に迫った時、ソルアスタは
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