啓典の記憶/2012
 
タはくるっと踵を返し、ギルグルの頭で思い切り石板を叩き割りました。
そしてもう一度、ギルグルに徴のなんたるかを解き明かしたのです。

ギルグルは猛然と苦しみだし、全身から毒汁を吹き上がらせました。
石板の衝撃で全ての毒気を抜かれたギルグルは、自らの中にも既に、誰にも盗まれることのない徴があることを悟りました。

文字通り「新生」したギルグルはとても穏やかで、聖母のように豊かな乳房をいくつも備えていました。
三人は大人しくなったギルグルの背に乗って、ペルディーダのいる辺境の村まで素晴らしい速さで移動することができました。
 


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