啓典の記憶/2012
た皮膚を纏い、こうもりの羽根を生やし、小振りな乳房を携え、怒り狂う男根を天に突き立てていました。
パノプティコンはソルアスタの姿を目視すると言いました。
「来たか、ソルアスタ。いや、アスタロートよ。おまえが持つ徴は裏返しだ。おまえも本当は、俺と同じだ。その二人の女をこっちに寄越せ。我々の本来の名は、『汝なすべし』。思い出せ、死の説教を」
ソルアスタはしばし黙考した後で、言葉を繋ぎました。
「わかった。それではまずそちらにエキドナを贈ろう」
そう言ってソルアスタはエキドナをパノプティコンの下へ向かわせました。
エキドナは恍惚とした表情で秘められた徴を開示し、パ
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