ポエム派宣言1「詩のわかりにくさ」/佐々宝砂
 
み合わせが普通でない」ということが、詩にとっていちばん大事な「わかりにくさ」だと考えています。というわけで、単語の組み合わせだけが普通でない文章ってどんなものか、考えてみたいと思います。

単語の組み合わせ方には、暗黙の了解みたいなものがあります。ルールというほど厳しくはないけれど、たいていの文章は、この暗黙の了解をちゃんと守っています。たとえば「雨が」とはじまったら、続く言葉は「降る」「止む」「冷たい」「うっとうしい」「好きだ」などになります。そういうのがフツーの文章、暗黙の了解を守っている文章です。しかし、「雨が」のあとに、「ちぎれる」という言葉がきたら、これはなんだかヘンです。ちょっと見
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