ポエム派宣言1「詩のわかりにくさ」/佐々宝砂
トルで書き始めました。すでに書いたように、私は、「わかりやすさ」の追究はそれなりにひとつの挑戦である、と考えています。しかし、この主張は、芸術性の少ない文章になら即適用できますが、詩の場合にも適用できるとは限りません。詩の「わかりにくさ」は、量子力学を説明した文章の「わかりにくさ」とは全く違います。
量子力学を説明した文章は、ひたすらに意味や内容を読者に伝えようとします。一方、詩は、言葉自体の力や味わいによって、なにがしかのメッセージを伝えようとします。詩は言葉の芸術なのですから、詩を書くにあたって言葉そのものを無視しては、詩が詩である理由がなくなってしまいます。よく聞くセリフや、あまりに当
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