靭やかに眠れ/ハァモニィベル
に
突き刺さった孤独の破片を吐き散らしては
砕け散った氷心の欠片と一緒に掃き集めている。 その
パジャマの袖からのびる寒々と凍えた手を
暖かく握ってやれる日はいつ来るのか
空へと必死に伸ばして何も掴めない手は いつも
握り込んだ心苦でベトベトに行詰っている
ならば
全部捨ててしまえ いっそ そして
眠れ しなやかに 化粧鏡の前で
涙の痕を乾かしながら
生きてゆく傷みを絶望の布団にくるんだそのままで
俺が傍へ駆けつけるまで 俺達ふたりが出逢える時まで
どんなに花びらが苦くてもかまわない
さもなくばきっと
硬く凍りついて眠るお前のことを化粧鏡がジィと見ている
さもなくば
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