靭やかに眠れ/ハァモニィベル
くばずっと
お前が籠った 棘だらけの不信の殻を俺は抱きしめたまま離さない
さもなくばやっと
しなやかな眠りの中で朝の門が開く鍵の音を聞き
飛び込んだ俺と入れ替えに
ぞっとする夜が慌てて出ていくうしろ姿をお前とふたりで蹴りとばそう
救いなき世界を朝の雨が 何%か洗い流すその優しさの奇跡に便乗して
正体こそ「現在」でしかない「過去と未来」って奴を思い切り漱ぎ流せば
アルカイックな笑いの 角質さえも洗顔し、やわらかく包みこむタオルにさっぱりとした
お前がはじめて魅せる真の笑顔を、俺は何の形容詞も付けずにぜんぶ感じ取りたい
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