詩に関する雑文、あるいは恋文/bookofheaven
 
結局教えなかったけれど、君はすぐに忘れてしまったんだろうか。
あの電話では、何度かせっつかれるかと思ったけれど、結局、君は何も聞かないままだった。
 君は気づいてたのかも知れないね。出典を知ったら、きっと君は気づくだろうから。
そうだよ、私は君が好きだ。
今では互いに家庭があって、子供も大きくなって、長く育んだ友情は、たとえどれほど長い時間も距離も、会えば忘れさせてくれるけれど。
あの時、あの詩の出典を君に教えていたら、君は私にどういう顔をしたろう。

 あの詩はね、{引用=「会えば喧嘩ばかりだのに、気がつけば同じ空を同じような顔を見上げていたり、好きなことが同じだったり、そういうこ
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