多義性のデザイン(アスパラガスさん讃3)/渡邉建志
 
現して、
ぼくは驚いてしまう。
風の吹く晴天の下で、スケートリンクは徐々に照らされていく。
ここまで激しくスピード、スピード、スピードで走ってきた詩が初めて、
じんわりと暖かく広がる動きに変わる。
もはや「きみの日なた」の「きみ」が、
いままでの「きみ」か、
「ガールフレンド(きみの)」のことだか、判然としなくなる。
判然としないまま、恍惚として溶ける。
「日なた」が「とじ込められる」という主語と述語の組み合わせを見たことがない。
この意外性は、これ以外にない必然性をもって僕に迫ってくる。
どのように「日なた」が「スケートリンク」に「とじ込められる」か、この可能的映像は、

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