墓参りー千の風にならない人たちへ/……とある蛙
 
も出ている
ちょっと不気味なかっこ悪さ
はっと気づいた女房は
右側の花立に石を一つ沈ませて
すらりと花を立ち上げた
一つ賢くなったと女房が笑う
凸凹両脇の花立 墓参り

一生懸命枯葉を掃いていて
墓石の周りも掃いたので
大量の玉砂利を掃き出して
あわてて砂利だけ手で掬い
苦笑いしながら元に戻す
どうにも締まらない掃除の墓参り

ついでに墓石も磨かねばと
オケから柄杓で水かけて
っと女房に言う
巻石の外から水が飛んできて
墓石の近くの自分が濡れ鼠
鼻水をすすり始めた墓参り

線香をとりあえず上げようと
一束火を付けたら大火災
いつまで経っても炎が消えず
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