手紙/くみ
中、小さな紙に恋人へ手紙を書いていた記憶がある。
恋人が可愛い色のメモ帳に綺麗だけど筆圧が薄く、しかも小さい文字で書いた返事の手紙はまだ幾つか残っていて、誕生日やクリスマスなど行事の時にはちゃんとした文面で手紙をやり取りしていたのも色褪せない良い思い出だ。
それらの紙類は大事な思い出を詰める為の空き缶に大事に保管してある。中には恋人と観に行った映画の半券やお揃いで買ったストラップ、恋人が作ってくれた押し花の栞なども一緒だ。
しかし、改めて恋人に手紙なんて書く前から何だか照れてしまい苦笑した。
『繊細で綺麗な字がなんか好き』
恋人が何気無く言った一言が忘れられない。
字
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)