手紙/くみ
 

字は昔から結構綺麗な方なのではないかと自分では思っていたし、確かに周りからもそう言われる事が多かった。

ならば期待に沿うようにと恋人が好きな色の薄い青緑色の便箋に、まずは恋人の名を記した。
しかし、ペンを持って紙に書こうとすればする程に文字は歪んでしまい、書いた文章までもが上手く伝わらない。

気が付くとゴミ箱には何枚も書き損じた手紙を放り投げている自分が居る。

(アイツが貰って嬉しい手紙……か)

相手の期待に沿うようにと変に格好付けるから書けないのではないかと思い、変に気負うのは止めてみた。自分の想っている事だけを一字一字、丁寧に書いていく。

そう思うと、素直
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