二つのソラリスについて/渡邉建志
三つ目のソラリス(ソダーバーグ)は未体験。
●「ソラリスの陽のもとに」 スタニスラフ・レム について
この小説を読んで驚くのは、設定の独特さである。惑星ソラリスの「海」はなぞの知的生命体であり、この「海」はアインシュタインの理論を自ら応用して、時空を曲げて自らの惑星の軌道を修正したりする知能を持つ。(まあよくもこんな発想が出てくることだ。)そしてこの海のなぞをどうしても解こうとする人類の、科学の飽くなき挑戦が描かれる。その挑戦の意味は何か? これは科学の本質に対する質問で、とても興味深い。
ソラリスの海を前に、主人公とその同僚たちは狂っていく。その狂っていきかたが、じつに緻密であ
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