/紅月
たちは、
縦に並んだ文法の屋上で
かなしい口笛をふいてる、
物言わぬなら、
かわりに羽をあげよう、
(とでも言うの、)
ごうまんなんだって、
平たく青い恩赦で、
きのうの森や、砂や、
指先を食む老いた影を
祝福してあげたい、
白黒に、続く、
街の、高架、それから、
あらゆる、翳りのなかで、
嘘を数えあげる鉄の指、
この窓からは空が見えないから、
どの窓からの景色も隠喩だ、
投身する、文法の、訃報が、
街を、みぎわに呼び起こして、
それから、
あらゆる、
「飽和から、
ふたたび、を、語りはじめるから、
どうかえいえんに知ってい
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)