タワー・オブ・テラー/済谷川蛍
 
だ。そのときナツオ以外の3人はさっき扉の向こうからきこえた叫び声の主は今の自分たちであることに気がついた。エレベーターが止まる。次の瞬間、猛スピードでエレベーターが落下した。今まで声を出さずにいた想太も含め全員が「うわあっ」とジェットコースターに乗った人間のような声を上げた。底無しの暗闇に落ちていくようだった。スゥッとスピードが緩んだかと思うと、今度は上に吸い込まれるように上がっていった。またもやこどもたちは大声を上げた。何階かもわからないところでエレベーターが止まった。こどもたちは呼吸を乱し、その場にうずくまったり、壁に張り付いたりして、恐怖を感じるよりも予測不可能なエレベーターの動きを警戒して
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