背負って生きられるのかね/影山影司
植木鉢を抱えているの。植わった植物は根を、宿主に伸ばして栄養を貰うわ。血中の二酸化炭素を吸って、酸素を排出したりもする……。それであの人達は、少し気を休めるの。自分達が少しは、まともになった気がするのね。自分達が他の誰かを生かしていると、有用だって安心するの」
カミオはそれに対して、何も答えなかった。
なんで、それでまともになった気がするのだろう。
カミオは、ワインを飲み干す間そのことに関して考えた。
トットに聞けばすぐに分かったが、分からないと知られたくなかったのだ。
何日も前からしていた、昼に会おう、という約束だったが、いざ終わってしまうとあっけない。昼下がりの時間
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