いつかの夏の日記 みたいなものあれこれ/佐東
 
ど 素潜りがとくいなんだ とどうでもいい告白に
適当に相槌を打ちながら かき氷を食べる
じゃあ真珠とってきて真珠 と冷たく言い放つと
まかせろ!とか言いながら
再び海へと戻る

しばらくすると 真珠なかったけど代わりに変なモンとってきた
と言って 短い鎖の付いたお風呂の栓みたいなものを手のひらに乗っけて見せてくれた
すると
海の水が凄い速さで引いてゆき
遠浅の背中が みるみると露わにされてゆく
やべ!海の栓ぬいちゃった!
お兄ちゃんが栓を沖に向かって投げる
ゆっくりと放物線を描きながら
遠浅に消えてゆく海の栓
背中の方で 夏の終わる足音が
聞こえてくるような 気がし
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