SCHOOL/済谷川蛍
 
いう場所があるのはいいことだ。心を閉ざした孤独な魂が、居場所を与えられるから……。
 「おーい、小林ー」と男子生徒たちが小林たちを連れていくと女子たちも解散した。
 竹中はしばらく無言で猫をさすっていた。お互いに年の離れた相手の気配を気にしながら、何も喋れない。自分も退散したほうがいいとは思ったが、自分以外に自分に似た存在の少年に、理解者として、共感者として何か話がしてみたかった。竹中はこの儚げな少年に何か話しかけたかったが、「にゃりおくん」という呼称は、口に出すにはあまりに抵抗があった。どぎまぎして、話しかけようとするたびに失敗し、下唇を噛む。名前を呼ばないで話しかけることにした。
 「あ
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