SCHOOL/済谷川蛍
 
空へと舞い上がった。
 「ねーねー、竹中くん初めて?」
 「うん。初めて。僕らの頃にはまだ動いてなかったもんね」
 「そうそう。卒業までにみんなで乗ろうって計画してたんだけど、結局完成しなかったんだよね。くやしかったー!」
 少女のようにはしゃぐ沖の姿に竹中は笑った。
 「あ、見て見てー!」
 大きな窓から見下ろすと、専門学校の屋上のビアガーデンが見えた。様々な色のライトで飾られている。竹中たちはしばらく、楽しそうな様子の学生やそれに混じる先生たちを眺めた。
 「楽しそうだねー」
 「うん。とっても」
 それからしばらく静寂が続いた。
 校庭のほうを見ると、たくさんの小さな人影
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