SCHOOL/済谷川蛍
 
一杯でしょ」
 「予約してるよ」
 二人で手をつないで観覧車まで歩いていった。なんだか今夜はそんな気分だったのだ。
 虹色のネオンが周りの校舎を染めていた。学生や、学校へ遊びにきた子供たちの歓声が噴水の涼しげな音とともに満ち溢れている。
 「こんばんわ。十五番の席を予約していた沖ですけど」
 「ああ、はい。沖さんですね。もう少ししたら降りてきます。お待ち下さい」
 「あれね」
 彼女が空を指差した。竹中はその先を見上げた。ゴンドラがゆっくりと降りてくる。少しどきどきした。
 「はい、着きましたよ」
 「早く、早く!」
 彼女ははしゃいだ。2人を乗せたゴンドラは、ゆっくりと夜空へ
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