SCHOOL/済谷川蛍
 
与えてしまう。いやな静寂を作ってしまったと後悔する。
 「私たちだけみたいね、戻ってきてるの」
 「え? …あ、うん。他に知ってる人いないね。まぁあの頃はまだ人数が少なかったから…」
 「竹中くんを見つけたとき、正直ほっとしたの。なんだか寂しかったから……」
 「……うん。僕もほっとした。というか、うれしかったよ」
 彼女は吹き出すように笑った。竹中も正直になりすぎたことが無性に恥ずかしくなった。あんまりに彼女が嬉しそうに笑うのでいっしょになって笑った。彼は笑いながら、この感覚がとても懐かしく、いとおしいものに感じられた。
 「ねえ、観覧車乗らない?」
 「え、でも今の時間予約で一杯
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