批評の言葉(メモ)/中川達矢
 
かについて観察している言葉。出来事や知覚をそのまま表しており、その対象とは距離が近く、眼前の事柄をあらわす言葉。
「わたしは今怒っている」と「ふざけるな」という例を挙げて考えてみる。
「わたしは今怒っている」は「思考の言葉」に属し、怒っていることを示しているのだが、これがもし発話された状況を考えてみると、少し違和感を覚える。冷静、淡々と自らの感情を示すように感じ、言わば、怒りの怒り性なるものが和らいで聞こえる。
「ふざけるな」は「観察の言葉」に属し、怒っていることを直截的に述べている。その怒りの怒り性は、生の感情として感じられる。
両者は、意味としては同等の効果を持つはずだが、発話として耳
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