森林限界/月乃助
母さんはうんざりだ
蛇 「だからやったのかい?
少年 「逃げ場なんて ありゃしないじゃないか
僕は、手首をきるくらいしか
僕を たすける ことができやしない
それとも、いっそ…
蛇 「象か鯨だったらよかったのに、
あの皮膚だったら すこしの傷など
痛みさえもないだろうに
おまえさんは、残念なことにヒトだからね
少年 「どうしろっていうの?
今度は、本当に死んじゃうかも
蛇 「お前は、歩みをしらない乳飲み子なんかじゃないからね、
甘えられないってことさ、
手のひら一杯
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