Kind Of Blue/ヒヤシンス
誰であれ、軟体動物のように体を絡めあい愛撫しながら踊れ。
原色のカメレオンの持つその長い舌で唾液を流しながらこの夜をしゃぶれ。
音楽は続く。悪魔がこの世の魂に潜むすべての悪魔を憐れむその時まで。
吠える黄銅色のトランペットに寄り添いその傷を舐める赤銅色のサックス、それらを包み込むように天空を駆けめぐる流麗な黒いピアノの音色が静かに厳かに集まる者の魂を共鳴させてゆく。
地球を超えて宇宙の底から響いてくる激しくも穏やかなベース音は聴く者の心に一時の安らぎを与える。そうだ。今皆が求めているのは魂の休息なのだ。たとえそれが一時的なものだとしても。
悪魔たちの祭典は終わらない。まだ
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