禿頭/……とある蛙
沼のほとりで
朝日を何回か浴びているうちに
僕は気づいた。物語に参加していることに。
それから僕は
少し考えながら山道を登るようになる。
目の前にある栗林は
妙な匂いのする林で
樹木の間隔は…でばらばら
ガサゴソ小動物の動き回る音がし、
それを狙う猛禽類が頭上を舞う。
猛禽類は長元坊
小さな猛禽類
頭上からの威圧感を感じて
僕は闇雲に走る
山道はくねくねしているが
何も変化無く続いている。
行き先は頂上かも知れないが、
折から漂う霧のため
見通しは良くない
無意味な登坂
しばらく走ってゆくうちに
ふと気づく
これは僕のための物語とは違
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