酔い泥船/……とある蛙
 
っそ河の氾濫が
全てを海まで流してくれないかと
思う間も無く 泥船は突然流されて
河口を一気に滑り落ち
ゆったりとした流れある
海面まで行き停止した 

その時間が一瞬なのか永遠なのか
停止した泥船の中の
自称正義の老若男女にはとんと分からず、
そんな困惑の中 泥船の中で訳知り顔の俺たちは
軽やかなステップで踊りに踊った
いつ沈むか分からない不安や将来の行き先や
絶望希望失望願望




ゆらゆら浮かぶ海面の妙な静けさ深刻さ
不気味な停止が永遠に継続しそうな
満月の夜よる 希望の波止場の灯には眼もくれず
・・・・・
漂流物のように漂う泥船の切っ先で

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