4/24/はるな
 


ずっと忘れていることにしました。
でも、思い出しました。
水でした。
壁は、鏡で、かつ扉でした。
そして窓はありました。
水でできた窓だったかもしれません。

でも些細な問題です。
それが何でできているかということは、些細な問題です。
それがそれである、ということのみが、いつも限りなく許された価値です。
あらゆるものに尊さはあります。
わたしたちは、それを、忘れることにしました。
だから遠かったのです。

海を割るひともいたし、
海の上を歩くひともいた。
海を埋めるひとびとが現れ、
海を作る組織さえ誕生した。
でもそんな必要はどこにもなかったと思います
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