4/24/はるな
 
ていることにしたのです。
それがたぶん、堅実な方法でした。
わたしはわたしがそうと気づかないほど、生きていたかったです。
ずっと。

季節は窓を開けるたび直角に突き立っていました。
坂道を気持がこぼれおちていくのです。毎日毎日、気持はこぼれおちていきました。そして忘れました。毎日あたらしく気持をこぼしました。枯渇することはなかったです。
それはいつも、とめどなく私自身でした。

だから、いまでも、あの坂道へいくと、たくさんのわたしがいます。
零れおちてからずっと、それきり一ミリも死へ向かえずにいるわたしたちがいます。
七歳や十三歳や十六歳のわたしたちです。
乾いています。
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