夜の底/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
。
どうしてかはわからない。
なるべく拘束のない状態が好きだから、そういうものに左右されたくなかったのかもしれない。
それに比べてあみだくじは好きだ。
若いころ土方をやっていた時、朝事務所に集まったはいいものの、集まりすぎて人工(にんく)が余り、誰かがその日の仕事は諦めてもらわなければならないといったことがあった。
その場合、そこのえらい人があみだくじを作り、その日現場に行く奴を決めたのだ。
そういうとき、なぜか90%以上の確率で仕事に行けていた。
しまいには「おまえは今日はあみだにも参加するな」と言われ帰らされたこともあったりした。
そんな古きよき思い出のせいか、
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