黒いシャボン玉/元親 ミッド
散らかった街を黒く塗りつぶして
その上に飛び散ったガラス片
路地のあちらこちらに巣くう怪しげな蜘蛛は
サイケデリックな艶を放っていて
虚ろに吐いているあの煙には
絡まらないように気をつけたほうがいい。
何を求めているんだろう?
それとも何も求めてないのか
ネオンに照らされて虹色に揺らめくシャボン玉
あれは、最後の思い出で出来た泡。
すぅっと漂って
誰かを求めているのか、いないのか
散りばめられたガラス片に触れて
今にも割れそうで心配になる。
そうこうしてたら
軽い魂は、重い足取りで
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