ブリキの森と紙の古城とウルサい湖畔の魔法/木屋 亞万
 
いかけた。私はリスに耳打ちをして、コップを積み上げる作業に入った。
 リスと私の二手に分かれて、底を縦横5個ずつ25個分敷き詰めて、その上を16個、9個、4個と5段のピラミッドになるように積み上げる。積む間にずっとコップの口から不平不満がこぼれたが、あまりうるさいものは口を手でふさいで作業を続けた。
 私は要領がわかっていたのですぐにできたが、私の方が完成したときリスはまだ2段目の途中だった。打たれ弱いリスはコップの文句にすっかり疲弊し、ちょっとコーラを注いではまた積むなどロスが多い上に、背が低く手足が短いため作業が難しいようだった。仕方なく私も手伝って、ようやく2つのコップのシャンパンタワー
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