善の永続性と悪の刹那性─善を構成するための原理の探求─/黒髪
 
善の概念は構成不可能である。故に善は存在しない。
例えば、生まれたばかりの赤ん坊を例に取れば、彼は何も自分ではできない。親の手がなければ存在さえできない。手間を取る。故に悪である。
この例のように、生命は多数の細胞の寄せ集まりであり、個体は地球システムの中の一部分である。つまり、完結性や完全性がない。そして他の生命を喰らうことによって命をつないでいる。生命同士の関係は、根本的に殺し合いである。
悪とは、例えば癌のようなものである。生命を脅かし、悪同士で連結増殖し、あっという間に大きくなる。
人間は殺し合いが得意であるのは、生命の原理が殺しという手段を視野に入れて構成されているからだ。平和ほ
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