善の永続性と悪の刹那性─善を構成するための原理の探求─/黒髪
和ほど生命の苦手なものはない。
宇宙のなかに、自由なものはない。物理法則から自由な物質など存在しない。宇宙原理を変えることは、人間には不可能であるので、人間に変更可能なのは、人間原理のみである。人間原理は生命原理の上に立つ。生命原理の物質的側面は、殺し=悪であるが、情報処理的側面において、希望がある。文章の中で、それを構成する単語が全体の意味を超えて完結性を得ることが、詩においてはまま見られる。情報の中に善の萌芽が見られる。
神=完全な全体に達することができない故に悪であるしかない人間においても、悟りを開くことが可能である。
そこに、現実を超えた生命の永続性の萌芽が見られる。完全なる
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