詩の定義について 詩と向き合う/葉leaf
似性」という考え方を紹介します。これはヴィトゲンシュタインがドイツ語のSpiel(日本語だったら「ゲーム」)という言葉の構造を分析したときに提唱したものです。ここにAさんとBさんとCさんがいるとします。AさんとBさんは目が似ている。BさんとCさんは鼻が似ている。でも、AさんとCさんはどこも似ていない。だからAさんとBさんとCさん全てに共通する特徴は存在しない。それでもAさんとBさんとCさんはひとつの家族の中にいる。このような要素間の類似性のあり方を家族的類似性といいます。
同じように、Aという詩は「文字で書かれているが鑑賞者を感動させない」、Bという詩は「文字で書かれていて鑑賞者を感動させる」
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