父のブランコ/Lucy
 
ブランコを欲しがったのは私
それを父にせがんだかどうかはおぼえていない

どうだ こんな大きなブランコ
どこにも見たことないだろう

校庭にあるブランコよりも
はるかに高い木の柱と
長いロープを使った父の力作は
空まで飛んで行けそうな
特大のブランコだった

9歳の姉が腰かけたその木の板を
父は両手で持ち上げて
高い位置から押し出した
それーと言いながら 笑顔で
ブランコは大きな弧を描き
しっかりつかまっていろよと言って
父はいよいよ力を込めて
それーそれーと押した
上機嫌で 

姉は悲鳴とも歓声ともつかぬ声を上げ
私の目の前を
素早い小鳥のように往
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