雪迎え(2)/ブライアン
 
かる。仕事に就くもの、専門学校へ通うもの、大学へ行くもの。アクセルを踏み込むたびに、いつも一緒にいた友人たちは散り散りになっていく。国道一一三号線の西端、テトラポットに座って夕日を見ていた。一人が足を踏み外して、海に落ちた。彼は、テトラポットから這い出してきた。最悪だ、と言った。誰に向けたのか分からない。
 海辺を後にして吉野家でご飯を食べた。

 去年初めて海外へ行った。飛行機が飛び立ち、雲の上を走る。流れていく景色を見下ろす。街は小さな光だった。身近で見るとあれほど大きな光も、空の上からでは小さな点に過ぎない。
 
 飛んで行った蜘蛛が戻ってくることはあるのだろうか。しゃけが故郷に戻
[次のページ]
戻る   Point(2)