野良犬の日々/済谷川蛍
 
の仕事まで一時間ほど待つ。時間になったら、仕事内容や責任者、現場が書かれた紙と、詳細な電車の乗り換え表のコピー用紙を受け取る。作業着のまま電車で移動する。まるで住所不定の浮浪者のようで、こんなんなっちまったかぁとミジメになる。
 現場で他の派遣員と合流する。仕事が始まるまで大体一時間ほどある。事務所と現場で二時間ほど無駄に拘束される。たまに仕事が三時間だけってときもある。そのときは5時間+移動時間で収入が二千五百円ってことになる。時給500円以下だ。いつも仕事があるわけではないので、やらないよりはマシなのだ。
 辛い仕事は肉体労働だけではなかった。看板持ちも相当辛い仕事だ。「三時間何もするな
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