『万物理論』とsex/佐々宝砂
るが、なんとなく、自信がない。私の身体は確かに女であり、私はそれを自覚しているが、性自認と身体の問題はまた別だ。私は女でありたいと思ったことが(あまり)ないが、かといって男になりたいと思ったことも(あまり)ない。認めよう。私の性自認は男ではない。私はFtMではない。じゃあ私はなんなのだろう。私の身体は疑いなく女だ。しかし頭はどっちなのだ。私の性対象は両性だ。では私はいったいナニモノだ。まだ全然わからない。わからないまんま私は三十代半ばを過ぎてしまった。子どもを生んだら「私は女だ!」という自覚がふつふつ湧いてでたかもしれないが、私は不妊症である。毎月生理がくるので「ああ私の身体は女だなあ」と自覚はす
[次のページ]
戻る 編 削 Point(6)