『万物理論』とsex/佐々宝砂
 
はするものの、生理があがっちゃったら余計に自分の性別がわからなくなるだろう。いやむしろあがっちゃったらいいなあと思う。性別なんかわからなくてもいいじゃないか。

などなどと考えてきたところに最近、グレッグ・イーガンの『万物理論』を読んだ。小説としてのできばえとかSF的魅力とかについてなら、私以外の誰かがとっくにどこかで語っているだろうから、どういう小説か知りたい人はぐぐりなさい。私が話したいのは、『万物理論』内での性別の問題なんである。以下、いつもと違ってネタバレはしないので安心して読むように。

『万物理論』は、2055年という未来を舞台にしている。未来だから当然今より外科手術やなんかが
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