スクールデイズ/そらの珊瑚
偶然触れてしまった
手と手の間に
青い花火が散ったのを
キミは静電気だと言ったけれど
人と人の間に
ぶつかって発生する電気信号みたいなもんさと
ボクは思った
キミが粒ならボクもありふれた一粒
粒と粒がぶつかれば
いつか雲になり
雨が降る
理科室の黒い遮光カーテンは重く
いつだってかびくさい
薄切りにされた細胞を
プレパラートに載せて見れば
学校という試薬のなかで
ぼくらはいつだってただの一粒だった
いいよ
このくらいの雨なら傘なんていらない
駅までの道を独りで走った
ぼくらに必要だったのは
傘なんて代物じゃなく
ずぶぬれになって
冷えたのち
発熱を知
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