【HHM参加作品】エロい詩(感想文と妄らな空想)/木屋 亞万
 
りはない。
しかし、そのボタンが捨てられないということの理由を考えたときに、私はボタンの落ちた原因として「男女の営み」説を推したい。別に「夜の営み」の持つ官能性ということだけを強調するなら、男同士でもいいし、女同士でもいいはずなのだが、その営みの後に「放られ、捨て置かれたボタン」という存在のことを考えたときに、これはやはり「男女の営み」なのではないかと思うのである。
ボタンが外れ落ちてしまうような、情熱的な男女の営みのあと、ぽつんと孤独に落とされていたボタン。そのボタンの孤独は、詩の話者である主人公の抱え持つ孤独と共鳴しあっている。この詩の話者はまた、ボタンを指で触れながら、自分もまた男女の営
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