【HHM参加作品】エロい詩(感想文と妄らな空想)/木屋 亞万
 
女の営みを連想した。お前は真顔で何を言っているんだという話だが、人気のない夜の浜辺でボタンが落ちる要因として、他にどのような状況が考えられよう。男が女の服を脱がすときに、焦ってすこし荒々しくなってしまい、外れて落ちたボタン。そういうドラマが詩の背景にあるように思う。
この詩には、ボタンへの不思議な愛着は語られても、ボタンの形状・色・素材に関しては一切語られていない。もちろんそのボタンが落ちた経緯についてもだ。そのため、読者はボタンに関して、好きに想像してもいいのではないだろう。例えば、男二人で取っ組み合いの殴り合いをした結果、胸倉を掴んだときにボタンが外れたのだという想像も、別に否定するつもりは
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